「子泣きじじい」/広川 孝治
 
振り返るたびに重くなる背中

判っているのに

また振り向いてしまう

怖いもの見たさなのか

知っていることを改めて確認するだけなのに

振り向くたびに重くなる背中

もう前に進めなくなるほどなのに

また振り向いてしまう

判っているのに

振り向いてしまうのだ

そして僕は

増え続ける重さに

とうとう潰されてしまった

ぐちゃ
















               振り返っては、いけない



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