「子泣きじじい」/
広川 孝治
振り返るたびに重くなる背中
判っているのに
また振り向いてしまう
怖いもの見たさなのか
知っていることを改めて確認するだけなのに
振り向くたびに重くなる背中
もう前に進めなくなるほどなのに
また振り向いてしまう
判っているのに
振り向いてしまうのだ
そして僕は
増え続ける重さに
とうとう潰されてしまった
ぐちゃ
振り返っては、いけない
戻る
編
削
Point
(0)