片づけられた真理/
水島芳野
くすぶった闇の在処は見せもせず
星の数ほどの「真実」をさらけ出し合い
本当はどこにも帰れないと知っていた
茜に染まる道に転がる虫の死骸で、
初めて命の理を知ったあの頃のように
渇いた日々が続いても
僕は生きているだなんていうのだ
君は。
散らかされた空の下
無残に引きちぎられたあの雲たちは
少なくとも僕よりは潤っている。
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