「僕の道は灰色の道」/広川 孝治
灰色の道が続いている。
これまでずっと歩いてきた。
これから先も続いてゆく。
この道を歩くことができるのは僕だけだ。
誰とすれ違うこともなく。
共に進むこともない。
ずっと一人で歩いてきた。
立ち止まることなく、前へ前へ。
涙をぬぐうこともなく。
傷口を押さえることもない。
転んでも止まることを許されず
片時も休むことはない。
足を引きずりながら、
頭を垂れながら、
今にも立ち止まりそうで、
それでもずっと進んできた。
何度も何度も振り返り、
目に映るのはいつも同じ
ただただ続く、灰色の道
前を見上げて睨んでも
やはり、道は変わらない
灰色の帯が伸びてゆく
いつまで歩けばいいのだろう
どこまで進めば許される
立ち止まりたいわけじゃない
道に不満があるわけでもない
ただ
ただ
共に歩く人が欲しい
視界に誰かがいて欲しい。
切に切に願いながら
僕は一人で歩いてく
とぼり、とぼりと進んでく
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