そのもの/瑠王
私達はそれぞれの製造番号を握り
はじかれる弾のように一列に並び
火力と素材を試されるべく
黒塗りの砲台へと歩一歩
天国と地獄は人間そのもの
私達は高層の屋上から
空が燃えるのを眺めている
鬼の顔した天使は夜の鏡に面して
優しさは何処へいったと嘆く
涙顔の悪魔は濁った川に映して
憎らしさは何処へいったと嘆く
彼等の煙突から憂鬱の黒い煙が立ち上り
この空を陰鬱にする
彼女等の涙が降り注ぎ
街は海に沈もうとしている
少年の勇気の中には
天国と地獄が平等に準備されている
少女の瞳の中には
天国と地獄が平等に潜んでいる
とある画家の一枚の絵の中
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