ゼロの僕/キムラタツオ
 
いつかの一言の力で
  アーカイブズに埋められていた文字だ
ゼロの輪が決壊する
溢れ出して世界はゼロで充たされる

朝を迎えるために世界を
ゼロから救おうとするが、
もう検索しても引っ掛かるのは古いことばかりだ
新しいは自分の中に探すのだ

秘密のコミュには僕自身のアカウント:結局は僕のそのままだから
接続は出来ないんだ

ゼロの端とはしを繋ぐのを諦めて
両の耳に突っ込んで
ゼロの内側の音を聴く
  あ、
  僕の新しい歌の新しい記譜法を発明した

ああ、ここにも僕の鳥の声だ
夜の悲しさの中は
空っぽうの匂いがするのだ
体の空っぽうの中には
夜の鳥が詰まっているの
思い知れ と囁く聞いたことのある
女は何時からか鳥だ

ゼロの歌を唄おう
切れ目に僕が挟まった
新しいゼロの歌
耳のなか
鳥が舞い戻る
僕はこうして歌をネットに書き付ける

こうして世界にはまた朝が来る
僕は体でゼロの一部になる
それが正しいかはともかくのA  :nswer

0が種子だと気付くのには
僕にはもう少し
時間が必要だった
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