踊り場にて/
松本 涼
狭すぎる僕の窓から
迷い込んできた無口な風は
しばらくの生温い沈黙の後
広すぎる空へと帰って行った
取り残されて僕の影は
等身大が掴めぬままに
踏み外しがちな
時の階段の踊り場で
くねる
その足元に飽きもせず
寄せては返す遥かの夢よ
どうか今こそ
僕に留まれ
戻る
編
削
Point
(2)