踊り場にて/松本 涼
 
狭すぎる僕の窓から
迷い込んできた無口な風は

しばらくの生温い沈黙の後
広すぎる空へと帰って行った


取り残されて僕の影は
等身大が掴めぬままに

踏み外しがちな
時の階段の踊り場で
くねる


その足元に飽きもせず
寄せては返す遥かの夢よ

どうか今こそ
僕に留まれ



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