緩やかな牢獄/森の猫
 
25年 
この 家庭という
いっけん しあわせな
牢獄につながれている

しあわせだったのは
10年くらい

つながれていることに
気づいたのは5年前

あたしが
ウツを発症したときに
気づくべぎだった

あのとき
夫はあたしを見捨てた

それは
あのひとなりの
家庭の守り方かもしれないけど

伴侶の同伴を求める主治医に、
自分は 行かないと言ってくれ
自分まで病人にされてしまうから。
これから 病気のことは
ひとりで解決してくれと

まだ あたしは
そのときの のろのろとした頭では
考える余地もなく
支持どおりに動いた

幼子を抱
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