暮れる/さき
凍らせた私の血を
温めなおしていた
あの季節とは
もう
さよなら
サングラスも
その帽子も
ここから先は
進入禁止
ベランダでは
服を
もう一枚
涙
拭う間もなく
また
涙
センチメンタルより
私を
いかせる
ものが
この世にあるの
悲しい
なんて
抽象的なこと
嬉しい
なんて
具体的なこと
何一つ
思い出せなくても
眺める
暮れていく
世界
どうしよう
知る以前に知っている
ような
言葉が生まれる前の
ものが
私の全てを
とても敏感に
させていく
ああ
なんだか
今日も一人では
眠れない
眠れないね
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