昼休み未満/船田 仰
 
はやあしなあなたのあいする、
そのタオルよりも吸水性のある笑顔は
どこまでもわたしを泣かせて
追いつけなくなってしまうの

手をかざして
逆光、の、なかの君が、
昼休みのジェラシーをしずかにしずかに
不意に、ただ
しめらせた手のひらがミュートした音
まだ聞こえてるよ
あの子がものすごく素敵な笑顔で
存在してしまってるから
はやあしなあなた、
どうかアホだと言ってくれないかな
月曜の昼休みから一歩だけでも
ながしてくれないかな、
とおもうのです

お弁当を残して
見上げました、イヤフォンを投げてね、
そしたらもうすぐ高くなった二分後が
うらめしかったよ
チャイムさんの助走をながめるんだよ
精密な愛情はここから旅立ったと、
嘘をつきます、そうします、
そして、
愛する友人たちに
もう行くよ、と、言うのです
ひそやかに満ちた空気にいっぱいいっぱい
このわたしが
わたしが
ラヴでもライクでもどっちでもいいじゃん
さみしいんだよ
アホ、
と、
きみが言う優しさったらひどいと思うのです
文化祭の
二日前の今日


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