深緑/フミタケ
 
すえ永い福の西
各駅で降りる
八幡様が好きだった
でもいつからか裏切ったような気持ちで
お参りはしていなかった
日曜日の境内はそれでも静かで
巫女が作務衣の神職に何か指示を仰いでるのを遠目にながめる
写真に写す緑は逆光が美しく
何かが清々しく映り込む
いつでもそう
鳥居の周囲の写真にはそんな光が映る
誰が映したものでも
瑞々しく癒される
胸の奥の絶対零度の井戸から何かが震えて溢れ出し
歩を進める揺らぎのリズムを早足にする
お参りをして
にれいにはくしゅいちれい
混濁する願い
忘れて、ただ心を静かにし
顔を上げて、脇によけ人
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