ウルル 〜エアーズロック〜/橘祐介
 
ウルル 〜エアーズロック〜



気を失うほど大きな岩

アボリジニーの聖なる地

地球のへそと言われる大きな岩

幾億年、赤い砂漠で時を待つ

風よ、太陽よ、月よ、、星よ

みなの咆哮に何をなす

風は強く、陽は燃え上がり、赤い大地は静かに眠る

漆黒の空に銀の星、鏡のような月を抱き

幾億年横たわる

低き笛の音、遥かな星に届き

天の恵みは大地を濡らす

唱よ、涙よ、歓喜よ、踊りよ

ああ、その大きな身体は地球そのもの

赤い葡萄酒を大地に飲ませ

聞こえない天の声を聞く

幾千年続いた宴のはてに

赤い岩が横たわる

近寄るでない

ここは聖なる地

ここは地球の命そのもの

大いなる光を肩に

黄金色の夜明けに身を染めて

すべての闇も光で裂いてみせようぞ

夜明けの金色の太陽の雫に

渇いた瞳は濡れ染まる


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