わたしが消化していく筈の明日は/あぐり
 
{引用=翠の眼をした少女が
ふぅわり ふぅわり

信号待ちの交差点で空を昇っていくのをみた
だからたぶん、明日は雨が降るに違いないのだ
今は心が浮き立つような白けた曇り空から
じぃっ

一粒の吐息が漏れ落ちてくることを信じている
赤から青に変わるそのことよりもきっと(絶対)確信に満ちた暗示

人混みに慣れていったわたしの本能は
もう麻痺してしまっているのだろうか
あんなにも吐き気が込み上げていた日
わたしの胃袋は大量の笑い声を含んだ

雑踏というのはある種の安心感をもたらしているのだと聞いた
宗教とは文化的現象だと先生が言っていた
(生き続ける意味をください
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