太陽/透明な魚
 
何処までも真っ直ぐな道を僕はやってきた 
太陽光線がディラックの海を撫ぜる 
学術研究都市へ続く道と 
凪の無い海に至る道 
面倒な事は物理学に丸投げして 
cobraのshiftを噛ませて 
計算された完璧な世界と 
其れを支える不完全な世界 
僕が一つの音にフレル時に 
誰かは別の音に降れてイル 
雨の境界線が光を弾く 
縺れあった事柄を解く行為 
僕は虚数空間の海に釣り糸を垂れて 
何か見た事もない概念の様な代物を期待している 
時の非対称性を解く太陽光線 
8月の空は生と死を携えて 
君があまりに泣くものだから 
僕はゆっくりとハンドルを脇に切る 
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