無題/ミズタマ
この世にはあなたがいて、わたしは幸せを感じます
しかし、その幸せこそが、わたしを絶望へと導くことに気付いて
いつまでも、夢の中のやうに、空だけを見つめる
花になりたいと思ったのです
美しく空を見つめる
花になりたいと思ったのです
*
あなたの存在はわたしの魂を浄化させはしまい
そのことをわたしは知ってしまったのです
愛して
愛して
あなたを愛するほどに、心が狂ってゆくことの哀しさよ
あなたが居ないと生きてはゆけまい
そう思ふのは
あなたがいるから生きていけないのと、同じこと
暗き情動の淵より
湧き上がっては消えてゆく
おろかでいとしい私のたましい
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