家族/
水町綜助
空想する
絵筆にたっぷりと染み込ませて
一息に沖合から
この足下まで光線を引く
波打ち際で掠れるけど
気にせず引くと
つまさきが熱かった
それは沖合から連なった
家族たち
その長い時間に流れた血液の
温度かも知れなかった
*
目を開いてとなりを見ると君がいて
僕たちの後ろから
子どもの声が聞こえた
ふり向くと
砂浜にはバケツとスコップがあって
高い防波堤の上には
まだ青いきれいな夕空が見えた
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