確証のないこうふくのなかで/ねことら
 
白く発光する魂のようなものが通り過ぎるので
既視感からふりかえっても
誰も初めから存在していない

不安定な距離感を保ち、ぼくらは
隣の道をあるいている





セカイ、その語彙そのものに含まれる誤謬
空白は無意識のうちに
ここにもそこにも拡散していく
一部分でしかないぼくはセカイから疎外される
疎外された魂がほたるのようにあつまり
それを遠くから見ている
さびしいものとして見ている





はんぶん機械のようなものだ
はんぶんが、はんぶんに
はんぶんの、さらにはんぶんが
またはんぶんに、折りたたまれ
手続きは省略され、平日の夜は
予定調和の波に均されていく


ぼくらは仄温い
しこりのような希望をかかえ
また再び明日へとわたりはじめる


確証のないこうふくのなかで
曖昧に溶けながらいきている





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