浮舟/小川 葉
 
 
 
こびとの ふねが
ちいさな おおきな ふねが
たそがれの
うみへ きえてゆく

いま みたばかりの
まど まど まどが
そこからみえた
ゆうやけの
ひとつ ひとつでも
あるかのように

みおくった そのあとには
ただ どこまでも
ゆうやみが
ひろがっていた

あと なんかげつかで
ことしも おわる
けしきばかりが なつかしそうに
ふねになって うかんでいる
 
 
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