回遊魚シンメトリー/相田 九龍
遠に「さよなら」を言うことはない
分かってきたよ 終わりはない
海にも永遠にも夢にも終わりなんて存在しない
むかし僕らはひとつだった
やがて僕らはひとつになる
そしていつも僕らはひとつなんだ
そんなことを考えてたら
いつの間にか静かに掴んでた手を
離してしまっていて
僕は一人
永遠を彷徨って
ひたすら海が満ちていて
青がどんな色か思い出せなくて
どっちが上かもわからなくて
寝て覚めてもまだ海は深くて
選択肢のない迷宮を
なんと呼べばいいのか
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