秘恋/乱太郎
 
時間を鎌で切り裂く事が
出来たなら
僕は君を独りにしなかっただろう
太陽が目隠ししたままで
いてくれたら
僕は君のうなじに
炎を吹き掛け続けていたのに
罪なのは
君の柔らかな語りではない
僕ではない僕の下半身なんだ
教会にはあまり行かないが
マリア様のことだけは知っている
亡き母のようだったと
そして
ここに肩を並べた君がいる

君の薄紅色に塗られた空がでてきた
闇夜が泣く前に
僕はとりあえず帰らなければならないが
君の悩ましい姿は
網膜に張り付いたままに違いない
此処を出たあと
狂ったように
太陽を呪うだろう
そして僕の身体は
鉛になってしまうだろう
君の錬金術でまた
僕の身体に魂を吹き込んでほしい
また来るよ

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