あくがれ/石川和広
もう少し
もう少しだと
思わずには、いられない
と僕は、僕の生まれた町のとおりの言葉で
書こうとするんだが
カナシイ
異物なんです
僕は
言葉に対して
山から
あの山から
誰が見ていてくれるだろう
誰かが明かりをつけて、見ていてくれてても
隣に寄り添ってくれている人がいても
ぼくは
焦がれます
形は、粉々になったら、文体になるはず
話す言葉は、渦巻状星雲であるはず
大阪駅には、ほおむれすは、あまり
いません
きれいすぎる
隠れても
隠したとしても
見られてしまう目
芽、女
ああ
だらしないだらしない僕は
不動にさ
でも、流れたい
これは人?
モノその区別すら、混乱する影の変形態
あこがれは
空く、がれと古く言う
もう僕はドラえもんの空き地は想像できない
昔遊んだ田んぼは
宅地で、墓地化されている
基地化というべきか
わし基地外か?
みんな
あほや
つぶやいて
僕も、たぶんアホなんですわ
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