トリに私は憧れる/
N.K.
ヒトはトリに憧れるが
トリはヒトのことを相手にすることなど断じてないだろう
なぜなら
ヒトがバベルの塔を作ろうとした時も 崩れた後でも
トリは言葉なんぞを持たなかったからだ
今日もトリは言葉をもたないだけ
軽やかに 飛んでいくのだ
天と私の間を
「写真」と「絵画」の間を
「意味」と「意味」との間を
トリの飛ぶのに不思議はないけれど
そのトリの軽やかさに私は強く憧れる
まるで天国へ憧れるように
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