釣果の確認/北村 守通
 
まな板から
はみだしたしっぽの
先を掴みながら
開いてみた体からは
血は一滴も見つからなかった

変わりに
エーテルを失って
散りばめられることのなくなった
星達の塊の袋が
だらんと
力なく収まっていた

  幾万粒あるのか
  数える気にはなれなかった
  
本来
輝くべき場所は
それでも
遠く離れた
別の空の下の筈であった

本来
輝くべき場所とは
かけ離れた
熱い
ぐつぐつと
煮えたぎった
赤褐色の液体の中に
それらを入れると

  星達の集合体は
  本来
  拡散すべきであったところが
  収縮してゆき
  内から破られるはずだった柔らかな殻は
  押し固められ
  内から輝き始めるはずの一粒一粒は
  外側から
  赤褐色に染まっていった
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