名前について (1)/あらら
ときの気持ちと あなたが 私の名前を呼び返してくれるのならば そのときの あなたの気持ちが きっと多分 同じなんだと はかり知れないあなたの気持ちのほんの少しでも 感じたくて 私たちはひとつひとつで どんなに抱きしめ合ってもおなじものになどなれはしない互いに名前を呼び合ってでもいなければ全くどうにもやりきれないほどのひとりっきり同士の
ひとり ひとり だから
だから 海でもワインでも花々でも絵の具でも鴎でも風でも雨でも炎でも砂でも雲でも地平線でも星々でもないこの宇宙にあるすべてのものの名前の中から たったひとつの名前を
それは特別のものだから
私は あなたの名前を いつまでも 呼び続けていたい
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