銀週/フミタケ
夜
車を走らせていると路面には
頭から脳漿を垂れ流した犬がしんでいるのをよけつつ
あたらしい仕事を探そうかなどと
ニールヤングを聞く
ちょうどいい音楽だ
ちょうどいい音楽なのに
「heart of gold」
なんて言葉を歌う
高校入試対策漢字ドリルをかって
何をつなぎあわせようとしているのだろう
体もつなぎあわせたいのだろうにと
見上げれば今夜は星が綺麗だよ
子供の頃、だだをこねる僕を祖母はおぶって、庭に出てこの星空を見せてくれた
星の瞬きは、僕の目のせいなのかな
流れていくように見えるのは
地球が自転しているからなのか
目が呼
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