金融からの帰農? 反ユダヤ主義とネゲブ開拓/A-29
 
」を支持したのは、それが産業資本のもたらした労働者問題を解決すると考えたからである。ナチの生物学的人種理論を否定したハイデガーの反ユダヤ主義は、反商人資本主義(反国際的金融資本主義)であって、むしろ、彼の考えは古典派の理論に帰着するのだ。》(『トランスクリティーク』注74、柄谷行人、批評空間)

 ハイデガーに「反商人資本主義」の矛先を向けられたユダヤ人(あるいはその一部)が、今やあたかも農本主義者と化したかのようにイスラエル南部の開拓(OR Movement他)に心血を注いでいるのは興味深い。「金融資本で突っ走ってきたのはいずれ農本主義へ帰命するためだった。」と言わんばかりに、とまでは言わないにしても。
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