落日の骨/e.mei
「僕は生まれるまえから窓のない部屋に住みたかった。
落日の骨は終わらない記号のなかに消えてしまった光の海へとかえってしまう。」
君は自分を求めない問いが何番目にあるのかを知っていたのだと思う
双子のいない双子座を光が通り過ぎて
上昇を始めた水位のなかで泳いでいた魚を
君が愛した男が見つめていたのは偽りの記憶であって
夜になるとそれが証明されてしまうから逃げなければならないと君は言っていたけれど
遠くから流れてくる記号の成分は落日の骨にちょうどあてはまり
生きていた人間たちが並んで待っているあいだは
帰れないという答えに向かって
問題を解き始める
何処から
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