rapture of the deep/あすくれかおす
 
りになっている。深夜にダイハツミラを走らせる。適当な場所でボンネットを開ける。懐かしい触感がする。ラジエーターの熱。エンジンの匂い。いなくなったお父さんみたいだった。懐かしい。近づきすぎると、非常に熱い。





しばらく歩いた。夜の花畑についた。僕にも、虫にも、誰にも、夜の花畑は求められていなかった。花束を作りすぎることができるのに。命を産み出すことができるのに。求められていないまま、待ちくたびれて朝になる。朝が花畑になるのではない。夜が朝になる。求めているのは花畑ではない。可能性を閉ざしているのは誰であるか、僕は、虫は、何が、可能性であるか。





静けさを直
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