君に似た人/kauzak
 
君は彼女じゃない

そう自分にいいきかせても
彼女の欠片を
そこかしこに見つけてしまう

喜んだ顔とか
ふとした仕草とか

そんなことから
7,8年前の
ほろ苦い思い出が甦る

 彼女とつき合おうとした僕は
 かみ合わないと思って
 すぐに身を引いてしまったけれど

 実は彼女に対する
 自分の姿勢の問題だったのだと
 気がついたのはずっと後で

 失ってしまった
 痛みだけが
 リアルに残っていた

君と知り合って
そのときの後悔が
洗い流されていくのが分かる

屈託のない笑顔が
眩しくて僕は
あらぬ方を向いていた

あまりに眩しすぎて思わず
写真で切り取った君も
彼女に似ていたけれど

少し違う表情で
微笑んでいた
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