/水町綜助
 

うすく
しめやかだけれど
それは
なつだから


ぼくは
ますたんぐの
66年式
ツーシータに
「わたし」をのせて
とうきょう
をはしる
たちかわを
しんじゅくを
久米川を
青梅と
カンパチを
カンパチには
青梅には
どんな
おとが
ひびくの
スキッドマークを
つける
タイヤと
その回る
おとがするの
とても早く
とても早く

ああ
もうこんなとこまで
きたんだね
あついね
たいよう
今日は
雨だけど
二日前のひかりはとてもかたかった
なんて顔
してんの
そんなに
つらいことじゃないよ
まぶしいだろう
ひかりのなかに
りんかくが
飛ばされて
かたちを
うでと
むねには
しっとりと
汗をかいてるんだ
からだの芯は
とてもつめたく
肌はあついんだ
それで
ちかづいて
肌のねつで
からだの芯を
つめたさを
あたためるんだ
あの
季節みたいに
だいて
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