拍車/
佐藤章子
ひどく眩しい夕焼けになりたくて
淀んだ緑の中で両手をひろげたけど
光は私を見下ろしただけで
何も言ってはくれなかった
出来るだけここに居たい
神様 その本に青空は
星屑にだけ涙が流れて
もう前が見えない
神様 その言葉に泥が
透明な雨粒が落ちて
もし私が雲に埋もれたとして
舞うそれはひどい色をしていても
君が笑うならいい
反射した世界を思い出したとき
神様 私は目を閉じた
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