昨日の中に/
西天 龍
弄び過ぎたライターの火は
煙草を近づけると消え
明日は
昨日の中に終わっていた
何か伝えなくては と思いながら
言葉が壊れていくのを見つめ
会話はいつも
始める前に途切れていた
旅に出るつもりで
何度も赤いランプを見送り
この線路は錆び付いてしまった
一人では歩けない 行く先なのに
昨日の中に
終わったものたちの大きさに
ただ 立ち尽くす
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