癖、焼いてまた、/みい
 

あなたは
まるで死人を見ているように
わたしを見て
少し
遠いわ

仏壇のように
パン、と手を叩き 拝まれて
それからやっぱりわたしは
ありがとう、と言った


真実子ちゃん
あなたは にこり としている

伯母さんがまた泣くのを見ながら
隣の家の人に怒鳴りつけながら
真っ裸で家のすみずみを歩きながら
そのまま 外に出ようとしながら



人混みの車両で
缶ビールを飲んでいるおじさんは
顔を真っ赤にしながら
電車がゆらりとするたんび
気持ちよさそうで


でも
あなたの方が、きれいだ
真っ裸で缶ビールに
口をつけて
きゅい、と一気に飲んで

ゴクン、

一瞬で食道をかけぬけ振動するお腹は
真実 だ
見逃したくないほどの
光だ



花は
受け取るたんびに焼いた
わたしはそこでもまた死人になって
あなたは知らずにまた、
花を探しに行く



真実子ちゃん
あなたはたまに殴るね
そのお腹を、唐突に









戻る   Point(10)