いとおしいきもち/アンテ
 

きょういちにちだけは
あらゆることを
いとおしいとおもうことになった
まちへでると
いつもならいやでたまらないことが
むしょうにいとおしくて
そのたびたちどまってひろいあつめるうち
かばんがいっぱいになって
おもくてもちあがらなくなった
どれもすてがたくて
とほうにくれるうち
よるになって
まちのちゅうしんがあかるくうかびあがった
あたりをみまわすと
ほかのみんなも
おもいかばんをひきずって
あかるいほうこうをめざしていた
わたしもまけずに
あとをおいかけると
おおきなひろばにたどりついた
ひろばのまんなかで
ほのおがはげしくもえあがっていて
あつま
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