秋の日は風の日/西尾
 

  さよならの日は 風の日だ
  けれど 怖がらなくていい
  雲はいつだって自分を壊してゆくし
  空だって ためらうことなく色を捨ててゆく
  こうして みんな秋になってゆくんだ
  木々たちはきっと 何もかも信じているから
  風の言葉で色さえ変えてゆくし
  それさえも惜しげもなく捨ててしまう
  みんな そうして空になってゆくんだ
  あなたはもう風に抱かれているのだから
  何も心配はいらない
  風の日は もう誰もが秋の時なんだ

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