老木/
炬燵
灰色の硬い幹
何かがかじる
灰色の大きな幹
何かが浸食していく
森の中に出来た空間に
教会を立てて許しを乞おう
愛していると共に生きようと
感触もなく実感もない
森には木が無くなり
巨大な幹も細々と
すでに死んで何百年と
佇んで
何も無い町の中から声がする
緑色の声
落ち葉は化石になったと
昔深い森が
あの恋は幻だったと
そして何かは今日も許しを請う
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