加速し続ける世界/kauzak
私たちは
眩暈がするような速度で
転がり続けなければならない
変化すること
それが何よりも重要で
変わらなければ私たちは衰退する
そんな強迫観念に
いつの間に囚われてしまったのか
自然の懐に抱かれて
自然の力を畏怖し自らを
その摂理に合わせようとしていたころ
変わることより
自らの体内に宿るリズムに
従って生きることが大切だったのではないか
犬も猫も虫も鳥も魚も
みな体内のリズムに忠実に生きているのに
私たちだけは
ただ加速し続ける世界に生きている
戻る 編 削 Point(10)