人差し指の肯定/あぐり
かった僕には
夏の残像がちらちら瞬いて蜃気楼
今でも消せないメールと僕の身体の表面
何かを運命だとか必然だとかいうつもりはないのです
もしそんなものがあったとしたって
僕らに降るのはせいぜい夕焼け前の雨ぐらいです
宛てる人もいない手紙を書き綴るのが趣味なんていう
くだらない僕を笑わないのが君の主義で
だから誰かが君の何かを笑っても僕は笑いやしないよ
全部違っても構わない
何も重ならなくてもそれが良い
どっかから声を出さないといけないって
焦る未熟な僕に
君はただ
人差し指を唇に触れさせた
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