体操/
小川 葉
操られた体が
わたしに還ってくる
ある夏の日に
今日は何しようかと
思うことができた朝
父に誘われて釣りに行った
帰り道
あの日と同じ夕日を
今は息子と見てる
明日の朝もまた
みんな広いところに集まって
ラジオに操られて
体を成している
そこにいたわたしは
何かに守られるように
そこにいて
そこからはじまっていた
短すぎた夏よりも
長く思い出は続く
この体が
わたしに操られる限り
ずっとそれは続く
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