タマ、秋に出会う。/千月 話子
眩しい空を 眺め過ぎた僕は
涙のように 暖かい 目薬を差しながら
「タマを探しています。」の
張り紙を 貼った
3丁目の電信柱の 角を曲がる
湿った目に もうすぐ気持ち良い刺激が
訪れるはずだったのに・・・・・。
不意に出くわした 枯葉色の馬に弾き飛ばされた!
目からウロコ 目から水玉 目からコンタクト 流れ
僕の目薬 返してよ
空は青・・・ 空は紫・・・ 空は深紅に・・・。
タマよ 早く家にお帰り
そうして 僕の夏は 終わったのだった。 / さよなら。
太陽の 濃い光を浴びすぎて ブロンズ像の俺は
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