降り注げ/あぐり
のうぜんかつらの涼しげな顔に
もっと朱を塗りたくりたい
あなただってもっと
生々しくなれるんじゃないの顔の無い恋人
愛してると愛してないの中間を掬い上げてぼくに降り注いでください
誰だって雨のなかで走り回って花に口付けたくなる瞬間が
ある
でしょう多分
わたしの傷口にあなたが唇をあてて
ああ
わたし
この為に今までを白蛇に預けてきたのね
(理性が言うよ
ちょっとオーバー
オーバードラマチック
どっちにしろODじゃないの)
のうぜんかつらみたいに生きていきたい
とは
全く思いもしなかった雨降るバス停
だって夜に映えない
だって上品
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