ハタチ女の憂鬱/ゆるこ
平日の真昼間からチューハイ片手に地元を闊歩すれば
ご近所さんの白い白い眼差しを否が応でも全身に浴びる
それでも歩いてしまうのは
世界の秘密が知りたいから
ふらふらと歩く私を叱責するものはもうこの世界にはいない
空を見上げれば蜘蛛の巣がきらきらと
鉛雲に照らされて、神社の主になっていた
ゲル状の炭酸水に浮かぶ蟻たちは 浮遊してどんな夢を見るのだろう
さっきから耳元で誰かが何かを祈っている
断片だけうだるような残暑にとろけている
黄色いパッケージの缶を口元に運ぶ
もうだいぶぬるくなってしまった発泡酒は私のアルコール耐性をことごとく表す
なかなかドラマみたいにうまくは
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