可愛らしい二人/中原 那由多
 
例えば園児の初恋のように
互いに思いやることが幸せなら
目を合わせて顔を赤らめることが
どれほど可愛いことだろうか

ドキドキを無邪気に笑って誤魔化した


持ち合わせていない感覚
爽やかで甘い柔和なもの
その存在に気付き始めたのはいつだったか
桃色の崇拝者となってゆく様は
滑稽がられるも黙認される


茶化してしまいそうなほどに青い
見てるだけではつまらない時間
溜め息をつくのは嘘
情熱は囁くように
海月のたゆたいを願う


ためらいのせいなのか
細めた目で見る足取り
形なきものに依存して
抽象的なセンスで泳ぐ


鼻腔を抜ける切なさ


可愛らしい二人になりたい



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