わたしたちのsaga/伊月りさ
 
指の先までウォーターベッド
赤ん坊はたぷたぷとした混沌だが
お母さんがいるからだいじょうぶ
  ここにいる、
  ないている、
お母さんは駆けてきて
果実グミのような鼻を口で覆って
ちゅー、と、鼻水を吸った
舌の上に溜まったらティッシュに出して
を、何度も、何度も、繰り返して
赤ん坊は更に大声で なけるようになった
赤ん坊はなき疲れて ねむることができる
昼下がり
公団の一室の
これが愛だと思うな、と
頬を緩めたわたしの横で
「えんがちょ」と言ったお父さん
きっとふざけているのだろう
お父さんの愛はきっとふざけているのだ

  また月曜日
  二十四時間前
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