夜の翼/
仲本いすら
しぼんだままの身体で着地している
そうして、そいつを撫でることで
私はようやく思い出すのだ
あしたの午後にはきっとあめが降ることも
ふすまのほんのすきまから
見えるただすこしの雲で
わかるのだから。
枕元には、しばらく漂っていた私の咳が
しぼんだままの身体で着地している
私の痰壺は、洗わなくていいよ。
私が夜にとけるまでは。
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