月鳴夜/
瀬崎 虎彦
繭の中身を確かめに
ヴェランダからするんと
カーテンを伝って降り
君の夢へ移動する
月無き夜のこと
君の小さな体に
無数に穿たれた
秘密の森のこと
心に生い茂る銀色の
すすきの様な背の高い
葦の向こうに君の足あと
窓越しに君の寝顔を
霧/切りという君の歯ぎしりを
うっとりと愛す夜のお話
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