短歌はこうして死ぬ/キッチン
 
は来ていたと知る。

 太陽が見えるまでなら今日だから急いで鋏で前髪を切る

 散髪の跡は流れて消えてしまう 短歌はこうして死ぬのだと知る。

 よく晴れた通りがあるから外に出るついでにすこし、君に会いに行く

 街路樹の散髪の跡豪雨では流しきれない短歌もある

 ふかしいも食べたい君はこの先で落ち葉を集めているのだろうな

 捨てきれぬ短歌の束と芋を焼く 短歌はこうして生きるのだと知る。

 紅葉の効用確か高揚と君はこう言う「ショートソング、フォーユー」
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