台風一過/
小川 葉
川がある
命の川だ
ありもしなかった
そこをいつからか
川が流れている
今そこにしかない
川を見て
見届けている
私がいる
うすぐらい部屋の隅で
テレビにうつる
川の行方に飲みこまれ
眠る夢から目覚める
朝がくれば
きらきらしてる
命のように過ぎ去った
私のすべてが
またはじまっている
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