スモールワールド/あすくれかおす
 
裂く。朝の色が微かに、その谷間から覗く。
毎朝そうして覗く窓辺にて空中散歩のやり方を聞くが。
なかなか窓から踏み出せない。
歌だけは。目をつぶってても空で歌えるが。



西と南に窓のある部屋。電線は不均等な五線譜。
一オクターブを上げ下げする。更新されないベストヒットを歌う。
目をそらさない。夜になるから。声を出す。朝になるから。
小人のようにまだ眠っている人々。
涙をみせてはいけないよ。
君たちのなかに。虎の子が眠っているよ。
どれが命で。どれがつながっているのか。ぼくには区別がつけられない。
夢見がちな夢も。
自分の宝石も。
振込手数料も。
オーバーヒートも
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