夏の終わり/
かとうゆえ
人生は蚊取り線香のようなものだ、と
誰だったかが言っていた
横から見れば
行ったり来たり
上から見れば
前進しているんだよ、と
最後はぽろっと死んじゃうのね
なんて
私は思ったのだけど
最近じゃまっすぐの線香もあるからな
なんて
君は言った
夏が終わるね。
うん。と、
最後の花火をはじめた
それから
いくつかの会話と
いくつかの沈黙と
蚊取り線香が終わる頃
最後の2本に火をつけた
さようなら
さようなら、と、
夏が終わった。
戻る
編
削
Point
(1)