おかえりなさい/
松本 涼
小さな小さな
記憶の粒たちが
まるで雪のように
目覚めたての
僕に降る
だけどそれは
とても暖かで
だけどそれは
確かに優しくて
「おかえりなさい」
と僕は言う
道の途中で
いくつも落とした
僕の欠片
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